お隣さんのキケンな誘惑



次の日、起きると仕事の準備をして職場へと向かった。


朝は予約が結構、入っていて忙しかった。


よく来てくれる常連のお客さんの手足のマッサージをしていると、お客さんはニヤニヤしながら私に話しかけてきた。


「芽衣さん!何か良いことあったでしょ?」


「えっ?」


「さては彼氏が出来たとか?」


「彼氏はいませんよ?」


「じゃあ恋してるでしょ?私には分かる!
恋してますって顔をしてるもん!」


常連のお客さんの里美さんは、私が働きだしてから指名をしてくれるようになった。
でも里美さんにバレちゃうなんてそんなに顔に出てるのかな?


「ふふふっ!芽衣ちゃんって分かりやすい。
今日は凄く楽しそうだし生き生きしてるしね!」


「さ、里美さん…でも恋をしてるのは本当です!」


「そっか!もし好きな人と上手くいったら報告してね?応援してるから!」


「はいっ!」


はいっ!って返事したのはいいけど、まだ恋したばかりだし、上手くいくかなんてわからない。


それに告白なんて直ぐに出来るわけでもなく、今は久藤さんに対して、普通に接する事が出来るかが心配。


過去の恋愛は良いとは言えないし、やっぱり慎重になってしまう。




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