お隣さんのキケンな誘惑
「芽衣!こっちにおいで!」
何だろ?と思いながら私は二人の所へ行った。
「真帆さん、俺の彼女の芽衣です!」
「初めまして、久藤くんと同じ会社で働いている三上真帆です。」
「初めまして…」
何が何だかわからなくて取り敢えず初めましてと言ったが、今、久藤さんって私を彼女だって紹介したよね?
「久藤くんにこんな綺麗な彼女が居たなんてね?うちの会社の女子社員が聞いたら泣くよ?」
やっぱり久藤さんってモテてるんだ。
「あっ、ママ!」
すると突然、五才くらいの男の子がこっちに向かって走ってきた。
「こうちゃん!パパと買い物は済んだの?」
「うんっ!パパがサッカーボール買ってくれたよ!」
「よかったね〜!」
真帆さんは男の子の頭を撫でて愛しそうに見つめていた。
「じゃあ私は行くからまた来週、会社でね!」
「はいっ!」
そう言って男の子の手を繋いで真帆さんは旦那さんの所へ行った。
結婚して子供が居たんだ。
内心はホッとしていた。
「さっきの真帆さんは俺の会社の先輩であり上司なんだ。
凄く優しそうだったろ?だけど会社ではめちゃくちゃ厳しいんだぜ!」
「そ、そうなんですか…でも何故、私を彼女だと嘘ついたんですか?」
「嘘?だって今日は恋人だと思ってデートしてるんだし嘘はついてないけど?
それより見たいものがあるから行こうぜ!」
そう言ってまた私の手を繋いで歩き出した。
例え今日、一日限定の恋人だとしても私は嬉しくてたまらなかった。