お隣さんのキケンな誘惑



「芽衣!こっちにおいで!」


何だろ?と思いながら私は二人の所へ行った。


「真帆さん、俺の彼女の芽衣です!」


「初めまして、久藤くんと同じ会社で働いている三上真帆です。」


「初めまして…」


何が何だかわからなくて取り敢えず初めましてと言ったが、今、久藤さんって私を彼女だって紹介したよね?


「久藤くんにこんな綺麗な彼女が居たなんてね?うちの会社の女子社員が聞いたら泣くよ?」


やっぱり久藤さんってモテてるんだ。


「あっ、ママ!」


すると突然、五才くらいの男の子がこっちに向かって走ってきた。


「こうちゃん!パパと買い物は済んだの?」


「うんっ!パパがサッカーボール買ってくれたよ!」


「よかったね〜!」


真帆さんは男の子の頭を撫でて愛しそうに見つめていた。


「じゃあ私は行くからまた来週、会社でね!」


「はいっ!」


そう言って男の子の手を繋いで真帆さんは旦那さんの所へ行った。


結婚して子供が居たんだ。


内心はホッとしていた。


「さっきの真帆さんは俺の会社の先輩であり上司なんだ。
凄く優しそうだったろ?だけど会社ではめちゃくちゃ厳しいんだぜ!」


「そ、そうなんですか…でも何故、私を彼女だと嘘ついたんですか?」


「嘘?だって今日は恋人だと思ってデートしてるんだし嘘はついてないけど?
それより見たいものがあるから行こうぜ!」


そう言ってまた私の手を繋いで歩き出した。


例え今日、一日限定の恋人だとしても私は嬉しくてたまらなかった。






< 65 / 121 >

この作品をシェア

pagetop