お隣さんのキケンな誘惑
夕食を作って、久藤さんが買ってくれた新しい食器を使った。
二人で夕食を食べながら、久藤さんと初めて出会った日のことを思い出した。
初めは印象が悪くて嫌な奴だって思ってたけど、今は好きになってるし人生って何があるか分かんない。
それに出会ったその日にも一緒に夕食を食べたっけ。
今は当たり前のように一緒に夕食を食べてるけど、ずっとこのままって訳にもいかないし、ちゃんと気持ちを伝えなきゃいけない。
話の流れで夕食を作ることになったけど、このままの関係のままでいるとどんどん好きになってしまって、告白して振られたら立ち直るには時間が掛かりそうな気もする。
一緒に居るだけで嬉しいけど、やっぱり私は久藤さんの彼女になりたい。
そんな事を考えながらご飯を食べていると、突然、久藤さんが私の頬を抓った。
「いっ」
「何か深刻な顔をしてるけど大丈夫か?」
「だ、大丈夫です!久藤さんが原因なんですからっ!」
「はっ?俺が原因ってどう言う事?」
や、やばい!何を言ってんだろ私は。
私自身の問題なのに久藤さんが原因だなんて言ってしまった。
た、確かに原因ですが…。
私は何も言えずに俯いてしまった。