お隣さんのキケンな誘惑




次の日の朝。


いつものように仕事に行く準備に取り掛かった。


だけど昨日の二人のキスが頭に浮かぶとまた涙が出そうになった。
今更たけど、こんな短期間で久藤さんをこんなにも好きになってるんだと思い知らされた。


それに夕食だって連絡がこなければ普通に家に食べに来るって事だよね?


来れば何て言われるんだろ。


実は昨日から付き合うことになったからもう夕食は作らなくていいからって聞かされる?
今の私にはそれは辛い。
だったら暫くは作れないと言うしかないよね?


私は智子に電話して一週間程、泊めてほしいと頼んだ。
勿論、理由を聞かれたが仕事が終わってゆっくり話すと伝えた。


私は着替えや下着を鞄に詰めて、家を出た。


職場に向かう途中で久藤さんには暫く実家に帰るので夕食は作れないとだけラインで送り、スマホは鞄の中になおした。


救いだったのは仕事に集中してる間は昨日の事を思い出すことも無かった。
逆に思い出すと仕事に集中なんて絶対に出来ないから。


どうにか一日の仕事を終えることが出来たが、仕事が終わるとやはり久藤さんの事を考えてしまう。


今頃は昨日の彼女と一緒に居るのかな…とかやっぱり思ってしまう。


私は深くため息をついた。





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