かまってくれてもいいですよ?
あれから半年が経とうとしている。

2DKの部屋は、当初ガランドウで寂しい自分の心そのものに思えていたけれど、一月二月と経つうちに、日用品で溢れかえり、あまり使う機会のないダイニングは、畳みきれない洗濯物が積み重ねられたまま、数週間は放置されている。

部屋が汚くなっていくにつれて、寂しさはまぎれていき、物が増えていくにつれて、自分が満たされているように思えた。
 
大学へは徒歩5分で通えるほどの距離に、アパートを借りている。

大通り沿いでは暮れてからの時間帯が物騒だと不動産の担当者から言われ、少し入り組んだ場所で暮らすことにした。

夜間は街灯がないため懐中電灯を持って外出しなければならないが、家の近くにはお年寄りか子供のいる家族ばかりが住んでいるため、特に防犯意識を高く持つ必要もない。

2階建のアパートで、私の部屋は2階の角にある。家賃はひと月9万円。

プラス、光熱費やガス代、水道代が加算される。夏に入ってからはクーラーなしでは眠れなくなってしまったため、少しだけ口座残高が寂しくなった。

一人暮らしを始めるまで、洗濯の仕方なんて知らなかったし、食事を作ったこともなかった。

お風呂掃除なんてしなくても、毎日湯を張っているのだから汚れは付かないものだと思っていたし、柔軟剤だけで洗濯をしても汚れは落ちないということも最近知ったばかりだ。

テレビを買って間もなく放送局の人がやって来て、「義務ですからね」という言葉に気が動転し、親に許可を取る暇もなく印鑑を押して口座番号まで知らせてしまった。
 
すべてが事後承諾になり、電話越しに怒られることが多々あった。
 
いつも親が買ってくれていた服が、本当はとても高いものであったということも、最近店舗へ出かけてようやく知ることができた。

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