フーゾク嬢の結婚

性感マッサージって、説明するのが難しい。
というか基準がすっごく曖昧。
お店によってサービスが全然違う（らしい）。セックスしちゃったりするところもあるんだって。

私のとこは、まず最初の３～４０分は体全体をマッサージする。
これだけだと、けっこう健全なお店。
肩、背中、腰、脚、足の裏、ふくらはぎ、腕、てのひら・・・

３０～５０代のサラリーマンのお客が多いこの店では、本当に背中や腰がガチガチにこったお客さんがたくさん訪れた。
「う～ん、こってますね～」
ともみほぐしまくる。
マッサージには、この店はかなり厳しい『研修』というものがあった。最初の３日間は自称インストラクターにただひたすらマッサージを教わる。
最後のテストみたいなものをクリアできたらいざデビューとなる。

『今まで体を酷使してがんばってきたんですね・・・』
と言わんばかりの背中の客が、毎日毎日束の間の癒しを求めてやってきた。
マッサージの時間は、眠ってしまう客も多いが、逆に積極的に会話をする客もいる。

「今いくつ？」
「出身はどこ？」
「彼氏いるの？」
「昼間はなにしてるの？」
「なんでこんなとこで働いてるの？」
私は適当に答える。
２３才、兵庫県出身、彼氏がいたらこんなとこにいないだろ、昼間はプー太郎、ここで働いてる理由は生活のため。
東京の家賃なんて本当に高いよね。
都心からは少し離れてるといえど、私の１Ｋアパートは６万円する。けっこうな出費だ。