フーゾク嬢の結婚
給料は完全な歩合制。お客さん１人につきいくら、というバック制度。
だから日によって稼ぎは違う。
少ないと１日５千円。多いと３万円。

ただ、金持ちのおじさんが個人的におこづかいをくれたりする。
お客さんの中に、私の直属の先輩というのが約３人いた。
つまり、私と出身大学が同じ人が４人いた。
そのなかの１人は、なんと学部学科まで一緒だ。

話していると、大体の地名でわかるんだ。
「もしかして、○○大ですか！？」って聞いてみる。
「私もなんです！」
お互いが同じ大学出身だとわかると、なんだかお互いに親近感というものを感じる。
ただ私はそんな出世した諸先輩方とは違い、ここで風俗嬢ってものをやっているが・・・
「就活ってここにしたの（笑）？」
なんてジョークを飛ばされたりする。
「違います、体が弱くて２０代は入院ばかりしてしまい・・・」
と説明するのが少し申し訳ないような気持ちになる。
なぜなら私の出た大学は、そこそこ勉強しなければ入れない大学だからだ。
彼らのように、卒業後はエリート層を突っ走っていく学生の方が圧倒的に多い。
私はあさってを向いたような仕事を今ここでやっている。
これでも、最初就職したところは新宿駅近辺にあるビル群の中の１社だったのだが・・・

「これでおいしい物でも食べな！」
その先輩の１人はいつも２万円ポイと置いて帰った。
まったくこんな不況な世の中にかくも有り難い話があるなんて・・・


これらトータルの収入は、月に約２５万円だった。
本当に金銭面では私はこの店に依存し続けていた。
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表紙・目次

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