Loki【完】
ぜろ。
酷く澄んだ青空の日。
兄と姉が亡くなった。私と、アイツの事を愛してくれていた兄と姉が。なのに、アイツは泣かなくて。淡々として無表情で何を考えてるか分からなくて。
「っ、何で何で!?悲しくないの!?」
「……悲しんだら、何かあるのかよ」
そういって、アンタは酷く冷たく、残酷に言葉を吐き捨てた。
「っ、アンタなんか兄じゃない!!」
「あ、そ」
「アンタが、アンタが2人を殺したんだ……!!」
「は、何を根拠に言ってんの」
アイツはそう言って嘲笑った。酷く酷く、傷付いた。アイツが、私の双子の片割れである兄があんな奴だったなんて知らなかった。怖かった。私の知ってるアイツとは全くの別人のようで。
「っ、アンタの誕プレ握りしめて2人は死んでた!!」
「……そう」
「だから、だからっ、アンタが……!!」
「……何も、」
呟かれた、その声に気付かなくって。気づけなくって、傷つけて突き放されて、分からなくなって。今でも覚えてる、アイツの最後の表情を。それでも、
ーーーー私はアイツを、ユルサナイ。
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