Loki【完】







にしてもいつもより廊下が騒がしいなと感じた。


転校生でもきたのだろうか。


でも朝のHRの時にそんな説明なかったと思うんだけどな……。


私にしては珍しく聞き逃したとか?


隣にいる炫もこの騒ぎに「何かあったのかな?」と首を傾げているし、大翔は元々五月蠅いのが嫌いな奴だから不機嫌丸出し。


その騒ぎがだんだん私達の方に近づいてくる。



その騒ぎの元にいたのは……私の愛しい彼。



「迎えに来た、天宙」


「なんだー、迅かよー。転校生かと思ったじゃん」


「ありがと、迅。炫も大翔もありがとねっ!!」



頬を膨らませる炫と不機嫌な大翔に微笑みながら礼を言うと迅がむっ、とした顔で私の腕を掴み自身の胸に引き寄せる。


その後に待っているのはきつい抱擁。

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