Loki【完】
花と華
彼らとすれ違ってからすぐ。ザワザワとする廊下を鬱陶しくもすり抜けて目的の教室に着く。はー、なにあの人だかり。中学時代もそうだったけど、幼馴染2人と居るとこれ以上に人だかりができてエグかった。
あの2人のうち、片方は愛想よく。片方は全く人を寄せ付けず。中学時代に愛想のいい方は「保護者」と人を寄せ付けない方は「豊央一の問題児」と称された奴で……
「(……思い出したくねぇな)」
思わず苦笑した。確かに色々やらかした。俺もアイツらも。今となってはいい思い出でいて、そして、
ガラッ、と教室のドアを開ける。途端ざわめき立つクラス。はっきり言って、耳障りな他限りない。……どこに居る?