Loki【完】
……想像できた。フツーに想像できた。きっと「……何クールぶってんだ」とあの「豊央一の問題児」に容赦なく一刀両断されるに違いない。加えて「保護者」はニヤニヤして俺を見てくるに違いない。……あの鬼畜2人め。
内心、そんなことを思った。ある意味泣きたくなった。葵は知らないだろうが香織は2人を知っている上、中学時代によく一緒に居た。
「……あんた、何泣きそうな顔してんのよ」
「……幼馴染のことを思い出しただけだ」
はぁ?と顔を訝しめる葵。仕方ないだろ、お前知らねぇんだから。つか、俺泣きそうな顔してんの?そんなことを考えてた時に香織が「あ!」と何かを思い出したように俺を見てきた。