Loki【完】
零れ落ちる日常
ーーーーああ、あの日か。まだ、懐かしいというには少し早い気もするが。
『……ん、』
『……。』
春から夏にかけてのこの暖かな季節。屋上の日向は絶好の昼寝スポットだ。屋上にサボりに行くと言えば幼馴染みの一人が『俺も本読みたいから授業サボる』とか言って付いてきた。
オイオイ、サボったにしろお前は新入生代表だったろうが。なんて言えやしないが。
浅い眠りの中、ガチャリとドアが突然開いた。うっすらと瞳を開ける。
『……やっぱりか』
『……やっぱりかって、何確信してたんだよ』
『お前らがここに居ること』
『……あ、そ』
『あのな、お前ら……』