Loki【完】
ーーーータイミングよく、チャイムが鳴った。あ、かなり寝てたのか。
「……宮野君?」
「ふぁ……」
目の前の先生を無視して席を立つ。なんか喚いてるけど煩いだけ。……このまま屋上に行こうか。
天気は快晴。心地よく過ごしやすい気温。この日に寝ないのは勿体無い。……流石に俺は幼馴染みたいに睡眠魔じゃねぇけど。
足を屋上に運ばせ、屋上のドアを開ける。開かれた空、薄い雲がゆったりと流れている。……なんとなく、空が近く感じた。手を伸ばしたら届きそうな、そんな錯覚。
「……何、考てんだ俺」
あんな夢、見るから懐かしんだのか。だからか。……きっと、そうだ。