我輩様っ!?
紅
あんただれ。誰。
「ってー、、」
学校からの帰り道。
普通に歩いてたら何もないとこで転びました。
ドジなもんで。
膝からたりーっと鮮血が垂れる。
「うあー、やっちったよ。
地味に痛いんだよねこれ。」
叫ぶ程じゃないけどズキズキする。
ついてない、とか呟きながら軽く足を引きずって歩き出す。
『………ククク。』
え、なに。なに。
叫ばないよ。怖いけど。今日学校でいろいろあって大分遅くなって8時過ぎだけど叫ばないよ。
通路の木がザワザワとしなりだす。
『うまそうだな。…クックック……。
丁度腹が空いてたんだよ…。』
んぎゃああああああああああ!!!!
全力疾走してます。無言で。
これは喋ったら負けだと悟りました。
走ります、走ります。
『おおっ!これは人間界でいうおにごっこというものか!?
面白い!乗ってやる!!!』
乗らなくてええわあああ!!!!
おにごっこじゃねぇしっ!!!
ゴオオオオオオオ!!!!!
きてるっ!何かきてるよっ!後ろから!
すごいスピードで追ってきてるよっ!!!
もう足とか関係ないし!
これ多分捕まったら殺される奴だしっ!
その瞬間肩にぬるっとした感触がした。
「ひっ!」
足を止めてゆっくり振り向くと、
「………イケメンっ!!!」
イケメンでした。