キャッチボール
始めに口を開いたのはノリヤだった。

「お前、今日も補習かぁ。テスト終わってからもしてなかったけ?」

「だって、勉強嫌いでできなくてなんか補習になっちゃうんだもん。ノリヤは毎日練習なの?あっ!ノリヤって呼んでよかった?」
と、私が慌てているとノリヤは笑い出した。

「お前おもしろいなぁ。俺わ毎日練習だょ。これでもレギュラーだから。あと、ノリヤでいーから。」

ノリヤは笑ったらこんな顔するんだと私はボーっとノリヤの顔を見ながら
「レギュラーってなに?」
と聞き返した。
するとノリヤは
「俺の顔になんかついてんか?お前見すぎだから!レギュラーはなぁ。試合に出る人のこと。ちなみに俺、ピッチャーだから。」
と少し照れながら言った。
私は「顔見てないから。ノリヤ試合出てるんだぁ。あっ…ごめん…ピッチャーってなに?」と不思議そうに聞いていた。

ノリヤは呆れたように
「お前、野球しらないだろー!ピッチャーはボールを投げてる人だよ。」と私に教えてくれた。

私は頷き「すごい」を連発していた。
そんな事を話しながら歩いていると商店街にさしかかりラーメンのイイ匂いがしてきた。
「なぁ、お前腹へってない?ラーメン食ってかん?」
とノリヤに言われ私もお腹が空いていたので
ラーメン屋さんに2人で入った。
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