キャッチボール
戸をあけたら
《いらっしゃーい》と声がした。
するとお店のおばあちゃんがノリヤに話しかけてきた。
「あら。ノリちゃんぢゃないの。練習終わりね。いつものメンバーじゃないのね。あら。彼女なの?」
と、私の方をおばちゃんは見て微笑んだ。
ノリヤは照れながら
「おばちゃん、なんなん。俺が誰と来てもいいやろー。俺はいつものを大盛ね。で、お前は何する?」と私に聞いた。

「じゃあ、ノリヤと同じのでよいょ。」
と言いノリヤの方を向いた。

「わかった。おばちゃん、俺とおんなじなやつ一つなぁ。」とノリヤが注文し、ノリヤは私の方を向いて口を開いた。

「ごめんなぁ。ここ野球部の伝統の行き着けのラーメン屋なんだわ。おばちゃんうるさかったろー。」と急に手を合わせて謝ったノリヤに私は思わず吹き出してしまった。

「全然いいょ。おばちゃんとノリヤの会話面白かったし。」と私は笑いながら言った。

「面白くないじゃんかぁ。めちゃくちゃ恥ずかしかったんだから。女の子連れてきたことなんて初めてだったから。」
と照れながら言った。
私は嬉しくなり
「初めてなんだぁ。なんか嬉しいなぁ。けど、なんで学校で話したことなかったのに今日話かけてくれたの?」と不思議そうに聞いてみた。
すると
「今日、練習みてたろ。なんか気になって、学校でもお前元気いいから話したいって思ったんだぁ。」
ノリヤの顔が赤くなり少し無言になった。
そこへ
ラーメンがタイミングよくきた。
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