英国紳士と甘いはちみつ同居☆
私の部屋の玄関の前で、扉に寄りかかり私を真っ直ぐ見る男。
その蜂蜜色の瞳に私は吸い寄せられるように近づきながら、なんとか名前を呼んだ。
「ジンさん」
今朝、私が髪を切ったあの、ナンパみたいな甘い言葉を吐いたあの人だ。
短く、耳にかからないぐらい短く切って、ツンツンと跳ねた髪を、ワックスで捩じって仕上げた私のカットのまま、不機嫌そうに見下ろしてくる。
もしかしてやっぱりカットが気に入らなくて文句を言いに此処まで来たとか?
や、ここは管理人用の最上階だから、簡単に入れるわけないのに。
なんで?
「遅い。待つのは嫌いだから迎えに行くと言ったのに。まあ、名前を忘れてないけら許してやるけど」
――許してやる?
朝との印象の違う話し方に、眉をしかめながらも私は首を傾げた。
「何でジンさんが私の家の前にいるんですか?」