英国紳士と甘いはちみつ同居☆
そう言うのがやっとだった。
だって、訳が分からなすぎて、言葉が出て来ない。
「なんでって、親から何か聞いていないか?」
「昨日、うちに荷物が届くから早く帰りなさいとかしか」
「荷物か……」
怖い顔で私を睨んで居たかと思ったら、片手で顔を覆いながら、ジンさんはくくっと押し殺して笑う。
その笑い方がセクシーで変に赤面してしまいそう。
「その荷物は俺だ。だから、早くこの部屋を開けろ」
「荷物がジンさん? あの、髪型が気に入らないからクレームに乗り込んで来たとかではないいんですか?」
「は? お前にカットされて不満なんて無いし、ずっと伸び放題だった子の髪をこんなに良い感じの長さにしといて自信ないのか」
呆れたり、笑ったり、怒ったり、ジンさんの反応に私はただただたじたじだ。
「とにかく、親に電話して確認してみろ。そして俺を早く部屋に入れろ」
偉そうに言うジンさんの後ろに、大きな段ボール四箱とスーツケースがあるのを見て、私の口がひくっと無意識に動いた。