英国紳士と甘いはちみつ同居☆
「構わないけど」
「決まりだな」
また目を細めて笑ったジンさんは、立ち上がるとワイングラスを二個と小さなピンク色のラベルのワインを持って現れた。
「では、二人の再会と、明日からの蜂蜜のような二人の生活に」
注いだワイングラスを私に渡しながら、彼は指先に優しく触れた。
名残惜しげに、その体温が指先に留まって葛ぶったまま。
流されるように彼の瞳に吸いこまれながら私は乾杯してワインを一気に飲み干す。
彼も一気に飲み干して、空になったグラスをちょっとだけ上にあげると嬉しそうにピザに手を伸ばした。
そんな、ジンさんにとっては何でもないような仕草でも、一つ一つが綺麗で、御伽話の王子様のように隙がない。
動揺して変な動悸が起こる自分を必死に隠しながら、デザートの蜂蜜スイーツの為に、三枚目のピザに手を伸ばした。