英国紳士と甘いはちみつ同居☆

「お、此処だ。入るぞ」

高瀬との連絡が終わるとほぼ同時だった。
ジンさんが行きたがっていたお店は、町から少し離れた海沿いの輸入雑貨屋さんだった。
大きく広い駐車場には、大型トラックが何台も停まっており、搬入されている家具は餡手アンティークの、木の色が深くて味のある綺麗なモノが多い。

「日本のベットは、サイズが合わないから此処に予め何個か見繕って貰っていたんだ」

ジンさんは、会話を続けながらさり気無く助手席のドアを開けて、エスコートしてくれた。
慣れていると言うか、もう身体に染み込んでいる礼儀作法と同じなんだと思う。

「此処、世界の猫グッズも置いているらしいから退屈なら見に行けばいい」
「なんで私が猫グッズ?」

「くるみの目は、猫みたいに知的で可愛いから」

「――っ」

不覚。
息をするように口説いてくることを忘れる所だった。

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