英国紳士と甘いはちみつ同居☆
店内に連れていくと、すぐに高瀬が心配して来てくれた。
「私指名のお客さんです」
「え、お前、大丈夫なの?」
「俺がくるみが良いと言ったので」
また外人さんが甘く笑う。
こう、背中が甘く痒くなる。
何者なんだろう。
簡単なアンケートを書いてもらうと、漸く名前が分かった。
「えっと、ブラフォードさんですね」
「ジンでいい。俺もくるみと呼ぶ」
お客を呼び捨てになんて出来るわけがなく、私は苦手な愛想笑いを顔に貼り付けた。
鏡の前に座ると、足が窮屈そうに折り畳まれた。
足、長すぎじゃないかな。
「くるみは大きくなったな」
髪のゴムを外して、櫛要らずのサラサラの金髪の長さを見ていると、不意にそう言われた。
まるで、彼は私の事を知っているかのように、言う。
「その、――くるみの猫のような大きな目が堪らなく可愛い」