英国紳士と甘いはちみつ同居☆
「猫、ですか。ツンツンしてて懐かないってよく言われるから間違いじゃないかもですが――……。ではシャンプー台へご案内します」
元々、トークがあまり得意ではない上に、さっきからジンさんの言葉や、私をじっと射抜くような瞳に、たじたじだ。
どう接したらいいのか、距離感とか会話とか、話し方とか、もう全てが分からない。
シャンプー台は、顔が隠れるからちょっとはマシだと良いな。
「さっきからくるみ、緊張してないか」
「え、き、あはは、ジンさんがイケメンだから緊張しちゃいますね」
私のいつものペースも狂わされてる。
「そうか。まさかかと思うが――俺の事を忘れている、ということはないか?」
――え?
忘れている?
その前に、私、このイケメン外国人と知り合いなの?
「ど、どこかで会ったことありましたっけ」
「……」
「あの、私、ここら辺、最近越してきたんです。親の転勤で、使っていないマンションを管理代わりに住ませて貰っていて――」