わたしのこと、好き?
1.
奇跡が起きました
放課後の校舎裏。
オレンジ色の夕陽が射し込むそこは、告白にはもってこいの幻想的なスポット。
今目の前にいるのは入学してから1年以上片想いしている相手、麻生 陸斗(あそう りくと)君。
麻生君はいかにも面倒臭そうに立ちながら「何?」とわたしに首を傾げる。
あー。
どうしよう。
すっごいカッコ良いよ。
さすが校内一のイケメンだともてはやされるだけはある。
オーラというか、雰囲気というか。
一緒にいる空間が眩し過ぎてクラクラする。
「で、用って?」
ポーッとしているわたしに、麻生君が再び聞いて来た。
訝しげに眉をひそめながら。
キリッとした端正な顔立ちと、手足が長くてスラッとした体。
どこをどう見てもカッコ良いって言葉しか出て来ない。
「え?あ、ごめんなさいっ……!あ、あのっ!ずっと好きだったんです!」
手が震えたけど勇気を振り絞った。
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