わたしのこと、好き?


ガラスのハートの持ち主のチキン野郎なわたしは、仁奈の言葉にタジタジだ。


仁奈の中に、優しさってもんはないのかな。


いつも責められてる気がしてならないよ。


まぁ、そうさせてるわたしに問題があるんだけど。



まだ何か言いたそうにしていた仁奈から視線をそらし、ふとドアの方を見たちょうどその時。


麻生君がダルそうに歩きながら教室の中に入って来た。


ドキンと高鳴る鼓動。



逃げてしまったという恥ずかしさと情けなさから、とっさに下を向く。


そして、スカートの上に置いた拳をギュッと握り締めた。



「ほら、戻って来たよ。もう一回話しかけに行けば?」



人の気も知らないで、仁奈はそんなことを言い放った。



ムリに決まってるでしょ?



「あのさ」



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