わたしのこと、好き?
「あー、じゃあ行くか」
あからさまにプイと目をそらした麻生君は、駅の中に向かって足を進める。
わたしはそんな麻生君の後ろをついて歩いた。
彼女じゃないわたしに、隣に並ばれるのはきっと嫌だよね。
どうしてもネガティブになってしまい、思い出すと気分が沈む。
「なんで隣に来ねーんだよ?」
「え?あ、だ、だって……」
「言っただろ?遠慮しすぎだって。もっと堂々としてりゃいいんだよ」
「…………」
それ以上何も言えなくて、黙って隣に並んだ。
なんでそんなことを言うの?
わたしはいったい麻生君の何?
どうして……期待させるようなことばかり言うの?
わからない。
……わからないよ。