わたしのこと、好き?
どうしてもお金を受け取ってくれない麻生君に、結局わたしの方が折れてしまった。
電車に揺られること30分。
わたしたちは、デートスポットで有名な水族館の前の駅で降りた。
休日ってこともあって、カップルや学生の姿が多い。
「女子は好きだろ?水族館」
ニッとイタズラッ子のように笑う麻生君。
行き先を考えてくれて、連れて来てくれた。
わたしにとっては、もうそれだけで十分だよ。
「うん……!大好き!ありがとう」
「ははっ、そりゃ良かった」
ねぇ、麻生君。
その笑顔は反則です。
わたし……どんどん諦められなくなってくよ。
彼女じゃないのに、期待しちゃう。
麻生君……わたしはいったい、キミの何?