わたしのこと、好き?
「多分って何よ、多分って!だいたいねー、付き合ってんのに一言も喋ってないっておかしくない?」
「うっ。だって……」
なんて声をかければいいか、わからないんだもん。
麻生君は教室では不良グループに属している。
やんちゃっぽくて、クラスの中心で騒いでいるようなハデなグループに。
周りにはイケメンや可愛い子が多いから、引け目を感じてどうしても仲に入れない。
わたしはどちらかというと大人しいタイプだし。
住む世界が違うというか、麻生君はキラキラ輝いて光りが射すような場所にいるから邪魔しちゃいけないような気になるんだ。
当然だけど、麻生君から話しかけて来ることもなくて。
今のわたしたちは、付き合っていると胸を張って言えるような関係じゃないことは明らか。