わたしのこと、好き?
よし。
今日こそはっ!
アドレスを聞くんだから。
昼休み。
麻生君はいつも、仲の良い男子たちと教室を出て行く。
手にお弁当を持っていないから、購買か食堂に行って食べてるんだと思うけど。
「ちょっと行って来るね!」
わたしはお弁当を持って立ち上がった。
「行ってらっしゃい!頑張ってね!」
「うん……っ!」
仁奈はやれやれといった感じだったけど、最後には笑顔で送り出してくれた。
待ってるだけじゃダメだよね。
好きなら自分から行かなきゃ。
このままじゃ、何も変わらないと思うから。
「あ、麻生君……!」
教室を出たところで、ぞろぞろと前を歩く集団の背中に声をかけた。