彼と私と元カレ
紺野はとまどいつつも、ロッカーを開け、制服に着替える。
「……どうしたんですか?先輩、部室にまで来るなんて、珍しいっすね?」
「……そうだな?俺もここまでしたくなかったんだけどな…」
楠木の言葉に、紺野はカバンを床に置いて、ベンチに座る。
「先輩が用あるのは……小澤…ですよね?」
「……っ、あぁ…」
楠木の返答に、紺野の顔色が少し曇る。
「最近、仲良いんだってな?小澤と…」
「……はい、俺は…小澤の事が好きですっ」
楠木の目を見て、紺野はそう口にした。
「そっか…?だと思った、それで小澤の答えは?」
「まだ、ハッキリとは…でも、俺待ってるつもりです」