彼と私と元カレ
「……そっか?大地はカッコイイよな?入って来た頃からそうだった」
「でも、小澤が見てたのは先輩です」
「ふっ…だったな?初めの頃は…」
楠木の複雑そうな表情に、紺野は言葉に迷う。
部室前ー。
「あれ…?なんか静か?みんなもう帰っちゃったのかな?紺野くんも?私一人かな…」
そう思って、理沙がドアノブに手をかけようとした時ー…。
「先輩、間違ってるかもしれないっすけど、言ってもいいですか?」
「うん…なに?」
ドアノブに手をかけたまま、理沙の動きが止まる。
「え……この声、楠木先輩?」
理沙は、その場から動けないままになる。