彼と私と元カレ


「先輩は…今でも小澤のことが、好きですよね?」



「……っ」



「……えっ……?」



今、紺野くん、なんて…?



「なんで…分かった?」



「あの日…先輩が小澤をふった日、俺偶然聞いちゃったんです、初めはなんであんなこっぴどくふったんだろうって思ってました、でも合宿前先輩に会った日に気づいたんです、先輩のあの言葉は本心じゃないんじゃないかって……」



ドアの外で、理沙の顔色が曇る。



「紺野くん…なに言って…?」



紺野の言葉を聞いて、楠木がふっ…と柔らかく微笑む。



「まいったな…大地には…」





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