彼と私と元カレ


「同じ人を見てたんで、俺先輩の気持ちに気付けたんだと思います…」



「そっか…?そうだよな?俺が勝手に不安になったんだ…小澤より、俺の方が気持ちが大きいことに気づいて、不安な気持ちから…小澤を振った」



ドアの外で、理沙は口元に手を当てる。



「ウソ…でしょ?先輩が今でも私のことが…好き?」



「けど、俺間違ってた、あんな言い方じゃなくて、ちゃんと本心言えば良かったって、後から気づいた、だから小澤に連絡した…」



楠木の言葉を聞いて、紺野は険しい顔になる。



「先輩のしてることは…勝手です!小澤がどれだけショックを受けて、先輩からの連絡も気にしてたと思ってるんですか!?」



「……っ」




紺野の言葉に、楠木も険しい顔でうつむく。





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