彼と私と元カレ
ドアの外で理沙の目が潤んできて、ドアノブからそっと手を離した時ー。
「小澤…っ!?」
声をかけられ、ハッとした理沙が振り向くと、羽山が息を切らして立っていた。
「はぁー…はぁー…小澤いつからそこに?」
「羽山くん…私っ…」
理沙が口を開いた所で、中の紺野が理沙の声に気づき、血相を変えてドアを開ける。
バンッ!と勢いよくドアが開き、驚いた理沙が潤んだ目で紺野を見る。
「小澤…今のはなし聞いて…?」
理沙は中にいる楠木も見た、楠木と数秒視線を交わした理沙は、堪え切れずにその場から離れようとする。
「ごめん…」
「小澤っ!」
声をかけたものの、理沙を追いかけようとしない紺野の前に羽山が立つ。