彼と私と元カレ


その時、ピコンッと理沙の携帯の音が鳴る。



中を見る理沙の表情が少し曇る。



「……どっちから?」



「……紺野くん、部活前に少し話せないかって…」



「どうするの?」



「うん…ちょっと行ってくるよ」



「うん、行ってらっしゃい…」



彩に少し柔らかい笑顔を向けると、理沙は呼び出された場所に向かった。



会って…なに話せばいい?



私、紺野くんになに話せばいい?



まだ、部活が始まる前のグラウンド前の階段に、紺野は座っていた。



頭の整理がつけられないまま、理沙が紺野に声をかける。



「紺野くん…」



理沙に声をかけられ、紺野が振り向く。




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