彼と私と元カレ
「……うん、座る?」
「うん…」
そう言って理沙は、紺野と少し距離を開けて座る。
夏休みが終わっても、まだ生暖かい風が二人の間に吹き抜ける。
「昨日…寝れた?」
「あ……正直あんまり」
「だよな…?悪いっ」
「なんで、紺野くんが謝るの?」
「俺…先輩の気持ちに気づいてて、小澤に話さなかった、小澤の気持ちがまた先輩に傾くんじゃないかって…最低な考えした」
「紺野くん……最低なんかじゃないよ?」
「えっ?」
「紺野くんのこと…最低だなんて思わない」
「……先輩とは?」
理沙は無言で首を振る。
「そっか…」
紺野は少し考えたあと、眉を下げてうつむいた。