彼と私と元カレ
「先輩も…悩んでたんですよね?私のことで…」
「ちゃんと、あの時に言えば良かったって…今は後悔しかないよ」
「私…先輩のこと本当に好きでした、けど先輩と同じ歩幅で上手く付き合っていけなかったです、これが…本当の気持ちです」
理沙の気持ちを聞いて、楠木がふっと柔らかく微笑む。
「俺…焦ったんだ」
「えっ…?」
「あのまま行けば、俺はいつか振られる…そう思ってた、だから先に言ったんだ…ズルいよな?後悔しか、なかったくせに…」
「先輩…」
「でも、自分の気持ち押し付けてるだけだよな?こんなの…いい加減ケジメつけるよっ」
そう言って楠木は携帯を出し、何かを操作した。
「…よし…」