彼と私と元カレ
部活中。
理沙は自然と紺野を目で追ってしまう。
先輩とはちゃんと話したけど、紺野くんとは…どうしたらいいんだろう?
あの日から…目が合わない。
部員とマネージャーとしての会話しかない。
羽山くんも気を使ってか、何も聞いてこないし、私も紺野くんのことを聞けない。
あの日、紺野くんが言った言葉が本音なら、私とのことはもう…いいのかな?
もう…好きじゃなくなった?
「どうしたらいいの?」
理沙は体育座りの中に顔を埋める。
「マネージャー!」
「はいっ」
「悪い、小指ちょっと吊った、アイシングして?」
「あ、分かった」
そこへ、羽山が走りながら通って行く。
「おーい、それぐらい自分でしろよっ」
「いいだろ、別に」
「ったく…」
理沙が部員の手を取り、アイシングをする。