彼と私と元カレ


「ここ?」



「そう、そこそこ」



ニコニコしている部員に対して、理沙の眉が下がる。



前はこういうことしてたら、紺野くんの視線を感じたのに…。



理沙はチラッと紺野を見る。



紺野は一人もくもくとランニングをしていた。



「紺野くん…」



理沙は思わずうつむく。



「どうした?マネージャー」



「あっ…ううん?大丈夫?」



「おう、サンキュー!じゃっ」



「頑張ってねっ」



部員は、笑顔で皆の輪の中に戻って行った。



マネージャーとしてでもいい…。



紺野くんと、話がしたい…。



そんな理沙を、羽山が見る。




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