彼と私と元カレ


部活終わり、理沙がゆっくりとした足取りで、校門に向かうと。



「小澤っ」



声の方を見ると、羽山が校門前の壁にもたれて立っていた。



「…羽山くん?」



「お疲れ〜」



「お疲れー…って、どうしたの?」



「うん、ちょっと部室に忘れ物してて、そろそろ小澤来るかなって、待ってた」



「そうなんだ…ありがとう」



「いえいえ、まぁ…ちょっと話さない?」



「えっ…?うん…」



そして二人は、誰もいないグラウンドを見ながら、ネット越しに立つ。





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