彼と私と元カレ
「じゃ、そういうことでっ」
「は!?おいっ…」
そこで羽山が電話を切り、ニコッとして、理沙に振り返る。
「お待たせっ」
「…うん?紺野くんとなに話してたの?」
「ははっ、ちょっと」
「えっ?ちょっと?」
「まぁまぁ、もう少ししたら分かるよっ」
「えっ…」
そして二人は、その場でたわいもない話を続ける。
少しして。
「寒い?寒かったら俺の学ラン貸そうか?」
「えっ?平気だよ…」
「そう?」
「羽山くんって…優しいね?そんな風に女の子に優しくしてたら、モテるでしょ?」
「俺?ははっ、そんなことないよっ」
「そうなの…?絶対モテると思うけどな?」
ニコッとして、自分に向かって言う理沙を見て、羽山がさらっと口を開く。