彼と私と元カレ
「じゃぁ…小澤が俺のこと、好きになってくれる?」
「……え?」
その時、
「羽山っ!」
その声に、羽山と理沙が振り返る。
「えっ…?紺野くん?」
紺野が息を切らしながら、二人の前に来た。
羽山はそんな紺野の姿を見て、眉が下がる。
「……思ったより、早かったな?」
「はぁー?おまえ一体どういう…?」
と、紺野が羽山を見たと同時に、羽山は二人に背を向けた。
「じゃぁ、俺帰るからっ、小澤…さっきの冗談だからっ」
「えっ…?」
「おい…羽山っ」
「頑張れよっ、二人共…」
「……っ!?」
そして羽山は、先に校門の方へ歩いて行ってしまった。