彼と私と元カレ
お好み焼き屋の帰り、地元の駅が近い理沙が先に電車から降りた後、紺野と羽山も自分達の降りる駅に着く。
「なぁ?大地」
「ん?」
「あのさぁー…おまえ小澤のこと、どう思ってる?」
「……は!?」
紺野が驚いた顔で羽山を見る。
「あれ?なんでそんなに驚いてんの?」
「別に…驚いてねーよっ、急になに聞くんだと思っただけだし」
「ふーん?いやぁ〜さっき俺がトイレに行ってる間、2人楽しそうだったからさぁ〜」
「……普通だろ」
「大地が女子にあんな風に笑うの、小澤だけだよなぁーと思って」
「小澤はマネージャーだろ?話して当たり前だろ」
「だよな?そうやって楠木先輩と小澤も進展してったよな?」
「……なにが言いたいんだよ?」
「いや?ただ小澤ってまだ先輩のこと吹っ切れてなさそうだよなぁーと思って」
「……」
すると羽山は大地の肩を抱く。
「しんどい試合になりそうだね?大地くんっ」
「な…!?気持ち悪いよ、おまえはっ」
そう言って羽山の手を払う紺野。
「まぁ〜楽しんで行こうぜ?夏はまだまだこれからなんだからよっ」
「……夏か」
そんなことを話しながら、2人は満点の夏の夜空をながめる。