彼と私と元カレ
その頃、ただビーチを眺める理沙と紺野。
「……。」
……あれ?なぜ無言?
私と紺野くんって、もうちょっと話せなかったっけ?
理沙がそう思う中、紺野もこないだ羽山に言われた言葉を思い出す。
「…ったく、余計なこと言うから」
「えっ…?」
「あ…いや、別に」
「…そう?」
「うん、あー…そういえば、小澤って泳げんの?」
「うん?もちろん、そんなに距離は泳げないけど」
「へぇー?」
「紺野くんこそ、どうなの?まさか…泳げないんじゃ?」
理沙が少し企み笑いをしてそう言うと、紺野の片眉が上がる。
「バカヤロ、泳げるわっ、俺の運動神経なめんなよ?」
「あはは、ごめんっ、知ってるよ」
そう言って笑う理沙の横顔をじっ…と見る紺野。