彼と私と元カレ
そして午後。
三年生は引退し、部活には来ないものの、ここには先輩の面影がいっぱい…。
潤んできた目元で瞬きをした時、後ろから誰かにぶつかられ、抱えていたタオルが落ちる。
「…ったぁ」
理沙が振り向くと。
「紺野くん…」
「なにボーっと突っ立ってるんだよ?マネージャー」
「う…ごめん」
そして二人でタオルを拾う。
「グラウンドでは暗い顔するなよ?おまえ部員にはけっこう人気なんだから、みんなやる気なくすだろ?」
「えっ…うん?」
紺野からタオルを受け取り、二人は立ち上がる。
「今日もよろしくな?マネージャー」
「うん…」
そして紺野はグラウンドへ走って行った。
「…っていうか、私部員に人気なの?本当かなー?」
首を傾げながら、理沙もグラウンドへ入る。