彼と私と元カレ
「紺野…くん?」
すると紺野は横顔のまま口を開く。
「小澤……俺っ…」
「……っ?」
「俺っ…」
「2人共待ったぁ〜?」
その声に驚いて2人が後ろを振り向くと、羽山と彩が2つずつカキ氷を持ってすぐそこにいた。
「ビックリしたぁ…2人共お帰り、ありがとう」
「はい、理沙はレモン味ね」
「わ…美味しそうー」
喜ぶ理沙に対して、紺野が急に立ち上がる。
「羽山、おまえちょっと来い!」
「えっ!?なんだよっ、溶けるぞカキ氷」
カキ氷を持ったまま、紺野と羽山は海の家の裏の方へ歩き出す。
「ちょっとー2人共〜?」
「…行っちゃったね?」
「なにあれ?」
「さぁ…?」
「まぁ、いーや食べよ?」
「うんっ」
でもなんか、ちょっと心臓がドクドクいってる。
なんで?
さっき紺野くんが、見たことない顔してたから…?
分かんないや。
紺野くんは、なに話そうとしたんだろう?