彼と私と元カレ
「話したいこと…?」
「うん、あのさ…」
楠木がそう言いかけた時。
「小澤っ!」
その声に理沙が顔を上げ、楠木が後ろを向くと、息を切らした紺野が立っていた。
「はぁーはぁー…急用!顧問が呼んでるっ」
「えっ!?あ…うん?分かった、すぐ行く」
そう言うと、理沙は楠木に頭を下げる。
「先輩すみません、失礼しますっ」
紺野も楠木に向かって小さく頭を下げる。
そして2人は合宿所の入口に走って行く。
その光景を見て、楠木がボソッと口を開く。
「"急用"…か」