彼と私と元カレ


「ありがとう…疲れてるのにごめんね?」



「いいよっ」



そう言って紺野は、ふんわりと笑う。



「……優しいね?紺野くん」



「そんなことねーよ」



「中学の時もマネージャーって女の子だった?」



「あー…うん、2人いたよ」



「へぇー?じゃぁ、こんな風に手伝ってあげたの?」



「あー…2人いたしなぁ、今思えば悪いかも、あんまり手伝ってなかったなー」



「そっか?でも…今日は手伝ってくれてありがとう」



「うん、けど…俺本当に優しくないよ?」



「えー?優しいよ?」



「別に、小澤がマネージャーだからってわけじゃない……誰にでも優しいわけじゃないから…」



「えっ…」



2人は数秒見つめ合う。




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