彼と私と元カレ
「多分、俺…本当は自分にだけ笑いかけて欲しいんだ」
紺野の言葉に、理沙は紺野を見つめる。
「俺……小澤のこと……好きだっ」
「……っ!」
えっ…好きって…。
暗がりの中でも、隣の紺野の顔が照れているのが分かる。
「マネージャーとしてって意味じゃなくて、小澤理沙が…好きだよっ」
「……紺野くん」
紺野くんが…私のこと?
理沙は、少しとまどった顔をしてしまう。
「悪い…こんなに早く言うつもりなかったんだけど、近くにいると…言わずにはいられなくなった…」
紺野の言葉に理沙は、なんて口にしたらいいか戸惑ったあと、ゆっくりと口を開く。
「ありがとう…紺野くんが私のこと、好きだなんて思わなかったから…少しビックリしたけど、嬉しい…」
けど……私。
「でも、俺分かってるから…小澤が先輩のこと、まだ忘れられない…ってこと」
「え…?」