彼と私と元カレ
「じゃ、そろそろ戻るか?」
「あっ…待って紺野くん、肩っ…」
そう言って理沙が紺野の手首を掴むと、紺野がビックリした顔で振り向く。
「あ…ごめんっ」
「いや…悪いっ、今日マッサージはいいや」
「え?でも…」
「今日、小澤に触れられると…俺勘違いしそうだし…」
「……っ」
「今日だけ…肩なら大丈夫だから」
そう言って紺野が、先にドアに向かって歩いて行く。
離した手を胸に当て、理沙の頬が赤くなる。
紺野くんが…私のこと。
いつも助けてくれたのは、私のこと、見てくれてたから…?
なんでだろう…。
胸がドクドクいってる。
夏祭り…行くんだ。
紺野くんと、2人で…。