彼と私と元カレ
「ちょっと…さっきマスカラ塗ったんだから、泣かないでよー」
「うん…分かった」
泣くのを必死に我慢する理沙。
「でさ、ほんとのところ、理沙はどう思ってるの?紺野くんのこと」
「えっ…」
料金は鏡の前の、少し照れた自分の顔を見る。
「紺野くんは……話しやすくて、でもそれが恋愛感情なのか、まだ分からないけど……紺野くんのことは…好きだよ?」
「あら?正直ね?」
「だから、恋愛感情かどうかはまだ分からないよ?」
「はいはい、よし、出来たっ」
そう言って彩は理沙の後ろから、鏡越しに理沙を覗き込む。